営業カタログの作り方|商談で成果が出る構成・掲載内容 4つのポイント

「商品情報は載せているのに、営業担当者がうまく使いこなせない」

「商談中、必要なページをすぐに開けない」

営業現場で、このような悩みはありませんか。営業で活用するカタログは、情報を並べるだけでなく、顧客の課題に沿って商品を探せる構成にしておくのがポイントです。

本記事では、営業担当者へのヒアリング方法から、商談で使いやすい掲載内容・構成、作成後の改善ポイントまで解説します。

営業カタログの役割とは?一般的な商品カタログとの違い

営業で使うカタログの役割は、商品情報が一覧でわかることだけではありません。主な役割は次の3つです。

  • 商談中の説明を助ける
  • 営業担当者による説明のばらつきを抑える
  • 商談後、顧客の社内で回覧され、自社の製品・サービスを検討しやすくする

一般的な商品カタログは「商品を正確に紹介すること」が目的で、カテゴリーや型番順に並べられるのが基本です。一方、営業用カタログでは、「商談を前に進めること」が重要です。

この違いを意識せず、商品一覧資料をそのまま営業現場で使ってしまうと、「情報は渡したのに、次のアクションが返ってこない」状況に陥りがちです。

営業カタログ作成前に現場からヒアリングすべき4つの情報

では、「営業現場で本当に使えるカタログ」にするには、どうすれば良いのでしょうか。答えは営業担当者が握っています。そこで、制作前に営業担当者から聞いておきたい4つの情報を紹介します。 

1)顧客からよく聞かれる質問・疑問点  

商談相手から繰り返し聞かれる質問は、「顧客が意思決定に必要としている情報」そのものです。

「他社製品と何が違うのか」「最小ロットはいくつか」「納期はどれくらいか」など、営業担当者が毎回口頭で答えている質問を洗い出しましょう。よくある質問の答えが先にカタログ上に書いてあれば、商談の時間もより有効に使えます。

複数の営業担当者に聞き、共通して挙がる質問から優先的に反映するのがポイントです。 

2)口頭だけでは伝わりにくく、説明に時間がかかる部分  

口頭では伝わりにくく、毎回ホワイトボードや手描きで補足している内容がないかを確認します。営業担当者が「この図があれば5分短縮できるのに」と感じている箇所こそ、紙面を割く価値があります。

導入までの流れ、他のシステムとの接続構成、施工手順など、説明に時間がかかる内容ほど、図解やフローチャートにして掲載しましょう。

個人によって説明のばらつきが出やすい要素を図解化しておけば、解釈の差が縮まり、誤解を生みにくくなります。 

3)自社製品・サービスの受注理由と失注理由 

自社の製品やサービスが「なぜ選ばれたか/なぜ選ばれなかったか」は、掲載項目の優先順位を決める大切な判断材料です。

受注できた理由が「導入後のサポート体制」なのであれば、サポート内容ページを割いて、しっかりアピールすべきです。

逆に、失注理由が「価格の妥当性を社内で説明できなかった」であれば、費用対効果を示す情報が足りていなかったと考えられます。

直近1年程度の案件などに期間を区切り、営業担当者の記憶が新しいうちに聞き取りましょう。 

4)現場でよくセット提案される商品の組み合わせ 

「この商品を検討する顧客には、必ずこの品も案内する」といった営業現場でのセオリーがあれば、できるだけ詳しく聞いてみましょう。

例えば同じ見開きのページ内に「関連商品」として近くに掲載されていれば、営業担当者がページを行き来せずに説明できます。顧客側も、再度同じページを開いただけで説明の内容を思い出せるでしょう。

提案頻度の高い組み合わせの上位3〜5パターンを聞き出せば十分です。 


なお、カタログ制作全体の進め方については、「商品カタログの作成方法5ステップ|掲載内容・構成・デザインの基本を解説」をご覧ください。

商談で使いやすい営業カタログの掲載内容と構成案のポイント4選

次に、全体の掲載項目を決めていきます。この章では、集めた情報を構成に落とし込む方法を解説します。 

ポイント① 顧客の課題や利用用途から検索できる構成にする

商品カテゴリーや型番だけでなく、解決したい課題・使用する業種や現場・導入目的といった切り口から該当商品にたどり着ける構成にします。

顧客は自社の課題は明確に語れても、それを解決する商品の型番までは知らないのが普通です。たとえば巻頭に「課題別インデックス」を設け、「コスト削減したい」「省スペース化したい」といった顧客の言葉をそのまま起点にページを開ける状態を作れば、営業担当者は商談の流れを止めずに該当ページへ案内できます。

型番順の索引は巻末に残しつつ、入口は課題・用途側に置くのが営業用カタログの基本です。

ポイント② 比較表や導入事例など商品選定に必要な情報を網羅する

各商品ページに載せる情報と、その目的は次のとおりです。

掲載項目主な目的
特徴・導入メリット商品を選ぶ理由を伝える
仕様・サイズ・価格・納期発注可否を判断する
商品ごとの比較表類似商品との違いを示す
導入事例・実績導入後のイメージを持たせる
関連商品・組み合わせ例追加提案の選択肢を示す
問い合わせ・見積依頼への導線商談の次のアクションにつなげる

このうち比較表は特に重要です。類似商品が複数ある場合、顧客が知りたいのは個々の説明よりも「どれが自社に合うか」だからです。

2章で集めた「よく聞かれる質問」を比較軸に落とし込めば、商談で使われる表になります。

項目決めについては、「カタログに必要な掲載項目5つとその内容|商品・会社情報から問い合わせ導線まで」 でも詳しく触れています。

ポイント③ 目次・インデックスを工夫し、目的のページへ即アクセス可能にする

目次やインデックスを付け、カテゴリーごとに色や見出しを統一し、型番・用途・課題のいずれからも検索できる状態にしておくと、営業担当者は迷わず該当ページを開けます。

とくに見落とされがちなのが、比較したい商品を離れたページに配置してしまうことです。比較される可能性が高い商品群は、見開きや連続ページに収めるよう台割の段階で調整してください。関連ページへの誌面上の案内も、あわせて設計しておきましょう。

設計のコツは別記事「【5分でわかる】カタログ構成の正しい作り方|掲載順・ページ設計・情報整理の基本」も参考にしてください。 

ポイント④ 同席していない決裁者への社内回覧を想定した紙面にする 

最後に、直接商談をする相手以外にも伝わる情報を入れておくのも効果的です。

  • 現場担当者:機能、使い方
  • 技術担当者:仕様、安全性、互換性
  • 購買担当者:価格、納期、発注条件
  • 決裁者:導入効果、実績、費用対効果

BtoBでは、商談に同席していない人が購買の最終判断に関わります。よってカタログは営業担当者がいない場所で「一人歩き」する前提で作る必要があります。

口頭での補足説明がなくても、各立場からの疑問点に答えられているかを、上記の4つの視点でチェックしましょう。

現場で「使われない営業カタログ」になってしまう4つの失敗例 

構成のコツを押さえたはずなのに、現場で使われなくなるカタログになってしまう例もあります。ここでは、よくある4つの落とし穴を説明します。 

単品の資料しかなく、総合的な横断提案ができない  

商品ごとにチラシやPDFを作成しているものの、全商品を一覧できる「総合カタログ」がないケースです。

商談のたびに複数の資料を持ち出したり、必要なPDFを探したりする手間が発生します。また、顧客の課題を聞いても、別カテゴリーの商品や関連商品まで紹介しにくく、追加提案の機会を逃してしまいます。

総合的な営業カタログが一冊あれば、商談の流れに沿って幅広い選択肢を提示できます。 

決裁者・購買担当者への社内回覧で検討が止まる

営業担当者が口頭説明する前提で作られていると、カタログだけを受け取った上司や購買担当者には、商品の違いや導入効果が十分に伝わりません。

商談相手が「検討します」と言ったまま返答が遅れているとき、このパターンで止まっていることがよくあります。

古い価格や仕様のカタログを渡してしまい、トラブルになる

商品の価格や仕様・納期が変更された後も、営業担当者の手元や共有フォルダに旧版のカタログが残っていると、トラブルにつながる場合があります。

商談で古い情報を案内してしまうと、後から訂正や再見積もりが必要になり、顧客に不信感を与えかねません。冊子版とPDF版の更新時期をそろえ、更新時にはもれなく周知するなど、営業担当者全員が必ず最新版を確認できる仕組みにしておきましょう。

営業担当者が制作に参加せず現場のニーズと乖離する

制作部門だけで内容を決めると、商談でよく出る質問や顧客の反応が反映されません。完成後に「使いにくい」と判断され、営業担当者が自作資料に戻ってしまうことがあります。 

作成後に営業現場のフィードバックをもとに改善する3つの方法

営業用カタログは、完成した時点で終わりではありません。商談で使われて初めて課題が見えてきます。最後に、完成後に営業現場の反応を集め、次の改訂に反映するための3つの方法を紹介します。 

商談で頻繁に使われるページ・使われないページを特定する

営業担当者にヒアリングし、商談で頻繁に開くページや、ほとんど使われていない情報を把握します。よく使われるページは次回改訂で情報を拡充し、使われないページは削除や統合を検討しましょう。

判断材料として、「直近10件の商談で開いたページ」を営業担当者にメモしてもらうと、感覚ではなく実績で判断できます。 

現場で新たに増えた質問や不足情報を定期的に補完する

顧客から繰り返し聞かれる質問や、口頭で補足している内容は、次回改訂時に追加します。

カタログ発行後に発売された新商品への質問や、市場環境の変化で増えた質問は、制作時点では予測できなかった情報です。営業会議のついでに「最近カタログに載っていなくて困った質問」を集める場を設けると、改訂ネタが自然に蓄積されます。 

改訂・共有の運用ルールを明確化し常に最新版を維持する 

価格や仕様の変更時に、誰が更新し、どこで最新版を管理するかを決めておきます。

先の失敗例として挙げた「古いカタログの情報を伝えてしまった」例は、担当者の注意力ではなく運用ルールで防げる問題です。

更新担当者・保管場所・旧版の廃棄手順の3点を明文化し、営業担当者が迷わず最新版にアクセスできる状態を保ちましょう。 

なお近年では、デジタル版も制作し、現場ではタブレットやノートPCでデジタルカタログを見せながら商談を進める企業も増えています。デジタルと紙、どちらにするかお悩みなら、「デジタルカタログ vs 紙カタログ徹底比較|自社に最適な選択・使い分け方とは」 もご確認ください。

営業現場の声を活かしたカタログを作り、商談の成果を高めよう

営業用カタログは、営業現場の情報をもとに作ってこそ機能します。顧客の課題から商品を探せる構成にし、商談後に相手の社内で検討される段階まで設計する視点が欠かせません。そして完成後も、営業担当者の反応をもとに改善を重ねていく姿勢が、使われつづけるカタログを育てます。 

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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