デジタルカタログ作成方法4ステップ|PDF・Web・電子の違いと選び方

「デジタルカタログの作成を任されたものの、どんな形式で作るべきかわからない」「上司が『製品カタログをデジタル化して』と言うけど、何から手をつければいいか…」

この記事では、そうした悩みを持つ担当者に向け、デジタルカタログの3つの形式(PDF・Webカタログ・電子カタログ)の違いから作成手順まで、体系的に解説します。

デジタルカタログ作成で陥りやすい2つの失敗パターン

まずはデジタルカタログの作成で、よくある失敗パターンと、着手前に整理しておくべき視点を確認しておきましょう。

【よくある失敗①】「とりあえずPDF化」で運用後に限界が発覚

初めてのデジタルカタログ制作では、「とりあえずPDFにしておこう」と考えがちです。

手軽に作れ、メールでも共有しやすいため無難な選択に見えますが、後になって「本当に読まれているのか数で分からない」「更新を重ねるとバージョン管理が煩雑」などの壁にぶつかるケースが少なくありません。

【よくある失敗②】「紙カタログをそのままデジタル化」でユーザー離脱

印刷用データをそのままPDFに変換するだけでは、デジタルの利点を活かしきれません。

紙向けの紙面データをスマートフォンで表示すると文字が小さくなるだけでなく、ページ数が多いと大きなファイルサイズも読む側の負担になります。「読む気」どころか会社の信頼感まで損ねてしまいかねません。

デジタルカタログの主要3形式|PDF・Web・電子の特徴

デジタルカタログにはおもに3つの形式があります。それぞれの特徴と得意領域を理解し、自社の目的・予算・運用体制に合わせて選びましょう。

【PDF型】低コストで手軽に配布・共有したい企業向き

PDF型は、Adobe InDesignやIllustratorで制作したデータをそのままPDF化する、最もシンプルな形式です。

制作コストが低く、メール添付やクラウド経由での共有も手軽です。

ただしアクセス解析ができません。また、更新のたびにファイルを再配布する必要があります。「デジタルで配布できれば十分」という用途にはPDF型がおすすめです。

【Web型】スマホ対応とアクセス解析を重視する企業向き

Webカタログは、HTML(Web用の言語)または専用CMS(コンテンツ作成・管理システム)で作成し、URL1つで閲覧できるカタログです。

PC・スマホ・タブレットのどの端末でも見やすく表示され、内容の更新もWeb上で完結。アクセス解析ツールを使えば「どのページが何回見られたか」をデータで確認できます。

自社サイトの問い合わせページへの誘導もしやすいため、BtoBの製品・サービス紹介に活用する企業が増えています。

Webカタログの作り方4ステップについては、こちらの記事も参考にしてください。

【電子型】本のような操作感とリッチな表現を求める企業向き

電子カタログは、ebook5(イーブック・ファイブ)やmeclib(メクリブ)、iCata(アイカタ)などの専用ツールで作成する形式です。

画面上で本のようにページをめくりながら閲覧可能で、埋め込み動画やタップすると詳細が表示されるボタンなどで、展示会・商談などのシーンでも力を発揮します。

制作・運用のハードルは上がりますが、製品の質感やブランドの世界観を伝えたい製造業・アパレルなどの中堅〜大企業に適しています。初心者向けのデジタルカタログの基本的な作り方についてはこちらでも詳しく解説しています。

PDF/Web/電子カタログと紙カタログ(冊子)との比較

3種類の形式を理解したところで、比較軸を整理します。機能・コスト・向いている企業の3点で違いを把握しましょう。

機能・対応デバイス・公開方法(URL/アプリ/DL)の違い

PDFはファイルを送って相手に開いてもらう形式です。スマホでも表示できるものの、元データがPCを想定して作られていると、文字が小さくなりがちです。

Webカタログはスマホ・PC・タブレットのどの画面サイズでも見やすく表示されるよう設計でき、URLを送るだけで共有できます。

電子カタログは、商品を360度どの角度からでも確認できる機能など、リッチな表現が最も充実しています。ただし、閲覧に専用アプリが必要になるケースもあります。

更新頻度で選ぶ、制作と更新/運用コストの考え方

PDFカタログは3つの中では最も初期費用がかかりません。そのぶん、内容を変えるたびに作って送り直す手間が発生します。

Webカタログは最初の立ち上げには費用がかかるものの、その後は自社で管理画面から更新できるため、長く使うほどコストを抑えられます。

電子カタログは、月額利用料金がかかるツールが多く、コンテンツ制作費も比較的高くなりがちです。

「どのくらいの頻度で更新するか」「何年使い続けるか」「最初にいくらかけられるか」の3点を整理してから選ぶと良いでしょう。

紙カタログ(冊子)とデジタルカタログの違い

紙のカタログは、一覧性やブランド訴求に強みがありますが、更新や配布にコストがかかります。

その点、デジタルカタログはURL共有やデータ分析、更新も容易です。
紙とデジタルの違いをより詳しく比較しているこちらの記事もぜひご覧ください。

PDF/Web/電子/紙(冊子)の比較早見表

以下の表で、3つの形式の主な特徴を比較してみましょう。

項目PDFWebカタログ電子カタログカタログ(冊子)
初期費用
更新しやすさ手間がかかる比較的容易要システム操作都度刷り直し
動画・リンク対応限定的×
対応デバイスPC・スマホPC・スマホ・タブレット主にタブレット紙媒体のみ
公開方法メール・ダウンロードURL共有専用アプリ・URL対面/設置配布、配送
アクセス解析××
企業規模個人~中小企業中小〜中堅企業中堅〜大企業中小〜大企業

失敗を防ぐデジタルカタログ作成方法|準備〜公開の4ステップ

形式が決まったら、実際の制作フローを把握しましょう。準備段階から公開・運用までを4つのステップに分けて解説します。

●STEP1:目的・利用シーンを決める(誰に何を届けるか)

「何のために」「誰が」「どこで使うのか」を最初に決め、資料にします。

例えば「展示会でタブレットを使い、商談相手に製品を見せる」「新規顧客への初回提案に使う」など、具体的なシーンを想定しておくと、必要な機能や盛り込むべきコンテンツの見当がつきます。

ここで手を抜くと、後になって「思ったものと違う」という手戻りが起きやすくなります。

●STEP2:必要なデータ・素材を用意する(画像・原稿・URL)

制作に必要な主な素材は以下の通りです。

  1. 製品・サービスの画像(高解像度のJPGまたはPNG)
  2. 仕様・価格・スペック等のテキスト情報
  3. もしあれば、既存の紙カタログのデータ
  4. ブランドロゴ・カラーコード・フォント情報
  5.  掲載する動画のファイルまたはURL(電子・Webカタログの場合)

外注する場合も、これらを社内で用意しておくと制作期間を短縮できます。

●STEP3:作成・運用方法を選ぶ(自社制作/ツール活用)

PDF型は、PowerPointやCanvaなどの無料ツールでも制作できます。

WebカタログはWordPressなどを使えば自社対応も可能ですが、デザインや構築のスキルが必要です。

電子カタログは、ツールや体制によって「初回のみ外部制作を活用し、更新は自社で行う」という運用方法もあります。

●STEP4:公開・共有・運用(更新ルール・管理方法)

公開後は「作って終わり」にしないことが何より大事です。

データをもとにアクセスが少ないページを見直したり、製品情報の変更があれば速やかに更新したりと、定期的な改善を習慣化しましょう。

また、「社内でカタログがきちんと活用されているか」をこまめに確認してください。必要に応じて社内へ使い方や共有方法のレクチャーを行うと、定着しやすくなります。

デジタルカタログは無料で作れる?ツールの範囲と限界

「まずは費用をかけずに試してみたい」という企業は少なくありません。ここからは、無料ツールの実際と、プランや制作体制の見直しタイミングについて説明します。

無料ツールでできること/できないこと:解析・権限・ドメイン

これまで紹介した以外にも無料で使えるツールは複数あります。多くのツールで、テンプレートを使った制作やPDF形式での出力、ページめくりの演出が無料提供されています。

ただしアクセス解析や自社ドメインでの発行(例:catalogue.〇〇〇.co.jpなど)、閲覧権限の設定などは、有料プランになる場合が多いです。

「無料でできる範囲」を把握したうえでツールを選びましょう。

無料が向くケース:試作/社内用/小規模

無料ツールが適しているのは、社内資料や小規模な商品紹介、試作として「とりあえず形にして確認したい」という企業です。

初期コストを抑えながら方向性を定めるなら、「まず無料ツールでフォーマットや内容を固めてから本番制作に移行する」というやり方もおすすめです。

制作体制やツールの利用プランを見直すタイミング

以下の状況が出てきたら、有料プランまたは制作体制の見直しを検討するタイミングです。

✔ ツールの透かしが入り、対外的に使いづらい
✔ アクセス数計測やページ閲覧傾向のレポートを求められた
✔ 自社ドメインで公開する方針になった
✔ 動画・インタラクティブ要素を追加したい
✔ 複数人で管理するため、権限設定が必要になった

まとめ:自社の目的に最適な形式でカタログを「使える武器」に

デジタルカタログはPDF・Web・電子の3種類があり、企業の目的や運用体制によって選ぶべき形式が異なります。形式にかかわらず、すべてのカタログづくりの出発点は「誰に・どこで・何のために使うか」を明確にすること。それが整理できたら、ツールを触ってみるところから始めてみましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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